top of page

学びの多様化
学校外の学びや、多様な学習環境・教育支援について考えたことをまとめています。
コミュニケーション能力について考えたこと
不登校の子どもたちと関わっていると、コミュニケーションに難しさを感じている子をよく見かけます。 どのくらいの距離感で人と接したらよいのか。どこまでなら「ふざけている」「じゃれている」で済むのか。どこからが相手を傷つける言葉になるのか。 でも、考えてみると、これは子どもだけの問題ではありません。大人にとっても、人との距離感を測ることは意外と難しいものです。 私自身、一つの目安になるのではないかと思っているのが、**「その人と自分との間に、どのくらいの信頼関係ができているか」**ということです。 相手が上司であっても、友達であっても、生徒であっても、部下であっても、肩書きや立場だけで「ここまでなら言ってよい」と決められるものではありません。同じ言葉でも、長い時間をかけて信頼関係を築いてきた相手に言われるのと、知り合ったばかりの相手に言われるのとでは、受け取り方はずいぶん違います。 だから、何を言ってよいのか、どこまで踏み込んでよいのかを考えるときには、**「私はこの人と、どのくらいの関係を築けているだろう」**と考えてみることが、一つの判断材料になる
8月30日
概念型カリキュラムのワークショップに参加してきました
先日、2学期以降の授業計画を考える先生方を対象とした「概念型カリキュラム」のワークショップに参加してきました。 概念型カリキュラムは、カーラ・マーシャルやレイチェル・フレンチの著書でも紹介されている、「何を知っているか」だけではなく、その知識を通してどのような概念を理解し、別の場面でも活用できるようにするかを重視した授業づくりの考え方です。 今回のワークショップでは、概念型カリキュラムについて学ぶだけでなく、参加者が実際に抱えている授業づくりの悩みや事例を持ち寄り、みんなで意見を出し合う時間もありました。私自身も、2学期以降に予定している授業について相談し、授業計画をよりよくするための具体的なアドバイスをいただくことができました。 特に印象に残ったのは、参加されていた先生方の姿です。 小学校から高校まで、また教えている科目もさまざまでしたが、「どうすれば生徒たちにとってよりよい学びになるのか」ということを中心に、熱心に話し合い、授業計画を練っていました。 普段、学校の外から教育に関わっていると、学校というものをひとくくりにして考えてしまいそうにな
8月25日


『思考する教室をつくる―概念型カリキュラムの理論と実践』を読んで
概念型カリキュラムとは? 最近、リン・エリクソン著『思考する教室をつくる―概念型カリキュラムの理論と実践』を読みました。 この本を読んで改めて感じたのは、「知識を覚えること」と「考えること」は同じではないということです。 学校では、どうしても「何を知っているか」が重視されがちです。しかし、社会に出てから本当に必要になるのは、「その知識を使って考える力」です。エリクソンは、個別の知識だけではなく、その背景にある**概念(Concept)**に着目することで、子どもたちの思考を深めることができると述べています。 例えば、歴史を学ぶのであれば、単に出来事や年号を覚えるだけではありません。「なぜ社会は変化するのか」「人はどのような選択をしてきたのか」といった概念を軸に考えることで、過去だけでなく現在や未来にもつながる学びになります。 これは、不登校の子どもたちへの支援にも通じる考え方だと感じました。 一人ひとり興味や関心は異なります。好きなことから学びを広げたり、自分の経験と結び付けたりすることで、学習は「やらされるもの」から「自分で考えるもの」へと変わ
7月15日


公共施設の無料化――フリースクールの支援者にも目を向けてほしい
先日、子どもたちと校外学習について話し合っている中で、改めて感じたことがあります。 それは、公共施設は子どもには優しい制度が整っていても、一緒に付き添うフリースクールの支援者には、その恩恵がほとんどないということです。 博物館、美術館、科学館、体育館、プール、伝統工芸体験施設など、多くの公共施設では「子ども料金」や「無料」が設定されています。しかし、引率する支援者は一般料金となることが少なくありません。 例えば、 博物館では子どもは無料でも、大人は数百円~千円程度 プールや体育施設では子ども料金は安くても、付き添いの大人は通常料金 伝統工芸やものづくり体験では、子ども向けの補助はあっても、支援者は体験をしなくても参加費が必要な場合もあります 一回だけなら大きな負担ではないかもしれません。しかし、フリースクールでは校外学習を教育活動として継続的に行います。支援者が複数名必要な場合もあり、その積み重ねは決して小さくありません。 学校なら費用負担がないことも多い 一方で、小中学校などの学校教育では、「学校利用」「教育活動」として申し込むことで、引率教員
6月29日
地域にひらかれた学びへ――書籍『自主学習のすすめ』から考える公共図書館の役割
最近、『オードリー・タンの母が語る 自主学習のすすめ』を読みました。 オードリー・タン氏といえば、台湾のデジタル政策や市民参加を支える人物として知られていますが、この本を読んで印象的だったのは、その原点にある「学びの在り方」でした。 本書では、学校教育そのものを否定するのではなく、「子どもはどのような環境で最もよく学ぶのか」という問いを大切にしています。オードリー・タン氏自身も学校に適応しづらい経験をもち、その後、家庭や周囲の大人、地域との関わりの中で学びを続けていきました。 特に興味深かったのは、台湾の「実験教育(Experimental Education)」の考え方です。台湾では、学校型だけでなく、家庭型や団体型など多様な学び方が制度として認められており、「どこで学ぶか」よりも、「どのように学ぶか」「誰と学ぶか」が重視されています。 本を読みながら考えたのは、学びを支える主体は学校だけではないということです。子どもの学びは、家庭や地域、そしてさまざまな公共的な場とのつながりの中で形づくられていきます。 その中で、公共図書館も重要な役割を担い
6月17日


都内公立小学校の校内教育支援センターを見学して
校内教育支援センター入口 先日、都内の公立小学校の校内教育支援センターを見学し、お話を伺う機会をいただきました。 ご担当の平沢安正先生は、元学校長であり、これまで教育委員会において不登校支援に関するさまざまな施策を推進されてきた先生です。現在は福井連合教職大学院のコーディネートリサーチャーで、不登校支援に熱意をもって取り組まれている、私自身とても尊敬している方のお一人です。 校内の教育支援センターには、子どもたちが安心して過ごせるよう、カーテンで仕切られた個別スペースやソファなどが設置されていました。教室に入ることが難しい子どもたちが、自分たちで「今日は何をするか」を考え、それぞれのペースで活動しているとのことでした。 先生のそれぞれの子どもの特性に沿った声かけや行動をなさっていることについて、大変勉強になりました。 公共図書館による支援の在り方についても 意見交換をし、とても有意義な時間を過ごすことができました。 また、校長先生も大変穏やかで優しい雰囲気の先生で、子どもたちから信頼されていることが自然と伝わってきました。学校全体として、子どもた
5月21日

bottom of page
